高級ブランドパンフレットデザインにおける色彩の重要性と印刷技術
Column 8
高級ブランドのパンフレットやカタログは、顧客に対してブランドの価値を伝える重要なツールです。そのため、デザインにおいては色彩の選定や印刷技術が大きな役割を果たします。特に、深くて暗い色の再現は難易度が高く、ブランドのイメージを左右する要素となります。今回は、株式会社グラフィック社の「デザインのひきだし」53号に掲載された吉岡印刷株式会社の技術を基に、高級感あふれるパンフレットデザインにおける色彩の重要性と印刷技術について詳しく解説します。
色彩の再現性とその難しさ
高級ブランドのパンフレットにおいて、色彩はブランドのアイデンティティを表現する重要な要素です。特に、深い色合い、例えば濃紺や深緑などは、調色の際に非常に難しいとされています。調色の過程でスミ(黒)の割合を調整することが求められますが、少しでも多く入れるとすぐに黒に転んでしまうため、思うような色を再現するのは容易ではありません。
弊社では、長年の経験と蓄積されたデータを活かし、顧客の希望する色を的確に再現する技術を持っています。例えば、特定のショッピングバッグに使用された濃紺は、クライアントのコーポレートカラーであり、特色を用いて調色されています。このように、ブランドのアイデンティティを色彩で表現することは、パンフレットデザインにおいて非常に重要です。
印刷技術の革新
印刷技術の一つに、特色インキを用いた二度刷りがあります。特に、黒気包紙に特色シアンを二度刷りすることで、独特の質感と深みを持つ印刷物を実現しています。この技術により、黒気包紙の黒とインキの濃紺が相まって、「黒のようで黒じゃない」色が生まれ、視覚的なインパクトを与えます。
二度刷りの技術は、単に色の深みを増すだけでなく、透過する油性インキの特性を活かし、シアンの持つ透け感を引き出すことができます。これにより、印刷物に立体感や奥行きを与え、見る人の目を引きつける効果があります。
エンボス加工の効果
さらに、エンボス加工を施すことで、印刷物にさらなる高級感を加えています。エンボス加工は、紙の表面に立体的な凹凸を作り出す技術であり、触覚的な魅力を生み出します。特に高級ブランドにおいては、視覚だけでなく触覚でも顧客に訴求することが重要です。
例えば、黒気包紙に特色シアンを二度刷りした上にエンボス加工を施すことで、視覚的な美しさと触覚的な高級感を両立させています。このような工夫により、ブランドのメッセージをより強く伝えることが可能となります。
ブランドのアイデンティティを強化するデザイン
高級ブランドのパンフレットデザインにおいては、色彩や印刷技術だけでなく、全体のデザインコンセプトも重要です。ブランドのアイデンティティを強化するためには、色彩、素材、形状、レイアウトなど、すべての要素が調和する必要があります。特に、色彩はブランドの印象を大きく左右するため、慎重に選定することが求められます。
特色インキや二度刷り、エンボス加工などの技術を駆使することで、他のブランドとの差別化を図り高級感あふれるパンフレットを作成することができます。
まとめ
高級ブランドのパンフレットデザインにおいて、色彩の再現性や印刷技術は非常に重要な要素です。
吉岡印刷が提供する撥水ニスや特色インキの二度刷り、エンボス加工などの技術を活用することで、ブランドのアイデンティティを強化し、顧客に強い印象を与えることができます。
これらの技術を取り入れ、高級感あふれる印刷物を実現することで、顧客の心を掴むことができるでしょう。色彩の力を最大限に引き出し、ブランドの魅力を伝えるパンフレットデザインを追求していきましょう。