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高級家具ブランドの世界観を、紙でどう表現するか
2026.02.19
高級家具ブランド「ポルトローナ・フラウ」
その名を冠した冊子制作の相談が舞い込んだとき、製造現場には期待と同時に、独特の緊張感が走りました。
「正直、最初は“これは大変な案件が来たな”と思いましたね」
そう語るのは、今回の案件を統括した製造責任者。
これまでにない仕様、限られた部数、失敗の許されない素材。
この冊子制作は、吉岡印刷の“総合力”が問われる仕事でした。
案件のきっかけは、「これまでに見たことのない冊子を作りたい」という問い合わせでした。
表紙をめくると最初に重厚な趣の革素材のページが現れたり、ページごとに異なる紙を使うという、非常に特殊な構成。
実際、初回制作時には4種類の用紙を使い分け、紙ごとに印刷表現を調整する必要がありました。
「ページによって紙の種類が違う。これは正直、かなり大変でした」
用紙が変われば、インキの乗り、乾き、発色、すべてが変わります。
同じ機械でも、紙とインキの“相性”を一つひとつ合わせていく必要がありました。
初めて扱う「モンテシオン」という用紙
今回の制作で使われたのは「モンテシオン」という特殊紙。
製造現場としても、初めて扱う紙でした。
「乾きはどうか、発色はどうか。最初は正直、未知数でした」
ただ、上質紙と比べて極端な違和感はない。
しかし、“高級ブランドの冊子として、どう見えるか”という点では、細心の注意が求められました。
印刷の肝は「圧」と「ムラ」をどう制御するか
今回の冊子で苦労した部分は、墨一色印刷のページ。
写真も文字も背景も墨なので、ムラや濃淡の違いがそのまま品質に表れます。
特に意識したのが、印刷機の「圧」のかけ方。
「ポンと当てるだけでは、きれいに見えなかった。少しずつ圧をかけて、しっかり色を取るようにしました」
さらに、色調整のための試し刷り(ヤレ紙)を通常より多く使用。50冊という少部数であっても、「全冊同じ色味」であることが絶対条件でした。
インキ量も、数値を見ながら微調整を繰り返します。
「100枚通して薄くなったら、設定が違う。また数字を変えて、もう一度通す。均一になるまで、それを繰り返します」
こうした地道な調整の積み重ねが、墨一色でも深みのある表現を支えています。
後加工も“手作業”で仕上げる理由
この冊子の特徴は、印刷だけではありません。穴あけ、ビス止め、革表紙の取り付けなど、後加工工程の多くが手作業です。
「少しでもズレたら、全部が台無しになる」
特に、ビスの位置はミリ単位の精度が求められました。革素材は一冊分が高価で、予備はほぼなし。失敗は許されない状況の中、1冊1冊を慎重に仕上げていきました。
トラブルを防ぐのは、毎日の“打ち合わせ”
こうした難易度の高い仕事を支えているのが、毎朝9時半から行われる部門を超えたメンバーでの打ち合わせです。
「やったことのない仕様ほど、最初の打ち合わせが一番大事」
工程を共有し、リスクを洗い出し、「できない」ではなく「どうすればできるか」を考える。実際、ビスの本数を誤解していたというトラブルも、出荷前の確認で発覚し、未然に防ぐことができました。
「終わった…」という安堵と達成感
全50冊が完成したときの気持ちを聞くと、返ってきたのは率直な言葉でした。「正直、“終わったわ…”という安心感ですね」
高級ブランドを扱う緊張感、失敗できない素材、複雑な工程。それをすべて乗り越え、無事に形になった瞬間でした。
吉岡印刷が、高付加価値案件に応えられる理由
「どこの印刷会社でもできる仕事ではないと思う」
その問いに対する答えは、シンプルでした。
- 部署を超えて協力できる体制
- 毎日の打ち合わせによる情報共有
- 未経験の仕様でも「どうすればできるか」を考える姿勢
名刺や封筒といった日常的な印刷物から、高級ブランドの冊子制作まで。
“印刷だけ”にとどまらず、仕上がり全体を考える製造力。それこそが、吉岡印刷の強みです。
高付加価値な印刷物を検討されている方へ。
「こんなこと、できるだろうか?」と思ったときこそ、ぜひ一度ご相談ください。
吉岡印刷は、“できない理由”ではなく、“できる方法”を考えます。




