高級ブランドの世界観を、紙でどう表現するか - 吉岡印刷株式会社

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高級ブランドの世界観を、紙でどう表現するか

2026.02.19

― 「Poltrona Frau Suites THE GARDEN|BRERA SUITE」冊子制作に見る、吉岡印刷の製造力 ―

イタリアのラグジュアリーブランドPoltrona Frauと建築家 黒崎氏によるコラボレーションから生まれた、プライベートレジデンス「Poltrona Frau Suites THE GARDEN|BRERA SUITE」。

その空間を紹介する本冊子の印刷・製本を、吉岡印刷が担当しました。

ラグジュアリーブランドの印刷物には、「きれいに刷る」以上の品質が求められます。
ブランドの思想、建築の美意識、写真の空気感――
それらを損なうことなく、むしろ価値として引き上げること。

今回の冊子制作は、まさにその力量が問われる高難度案件でした。

本冊子は、Poltrona Frau、APOLLO、List Sotheby’s International Realtyが発行し、ディレクション・コピーライティングを西原真志氏、アートディレクション・デザインを荒井胤海氏が手がけられています。

仕様は、用紙を厳選したうえで、カラーページと墨一色ページが混在する構成。
写真の階調を豊かに表現するカラー印刷と、わずかなムラも許されない墨一色印刷を、同一冊子の中で高いレベルで成立させる必要がありました。

少部数であっても、色の安定性、濃度の均一性、仕上がりの揃い。
どれ一つ欠けても、ラグジュアリー案件としては成立しません。

ご相談を受けた製造現場では、「これは簡単な仕事ではない」という認識が、最初から共有されていました。

だからこそ、工程設計から印刷、後加工に至るまで、一つひとつの判断と手間を惜しまず積み重ねていきました。

ブランドの価値を形にする一端を担えたことは、私たちにとって大きな経験となりました。

案件のきっかけは、「これまでに見たことのない冊子を作りたい」という問い合わせでした。
表紙をめくると最初に重厚な趣の革素材のページが現れたり、写真と文章の墨一色だけのページがある等、非常に特殊な構成。

実際、初回制作時には4種類の用紙を使い分け、紙ごとに印刷表現を調整する必要がありました。

「ページによって紙の種類が違う。これは正直、かなり大変でした」

用紙が変われば、インキの乗り、乾き、発色、すべてが変わります。
同じ機械でも、紙とインキの“相性”を一つひとつ合わせていく必要がありました。

初めて扱う「モンテシオン」という用紙

初回から使用されたのは、「モンテシオン」という特殊な印刷用紙。
東日本大震災後、日本製紙石巻工場で復興支援商品として開発された用紙です。

今回はクライアント様からのご指定でした。
関西圏では使用頻度の高い紙ではなく、当社としても初めて扱う素材。それでも、高級ブランド冊子としての完成度を考えれば、検証を重ねた上で本番に臨む必要がありました。

「乾き具合はどうか。インキの乗りや発色は安定するか」

事前に刷りテストを行い、インキ濃度や乾燥時間、網点の出方まで細かく確認。
上質紙とは微妙に異なる紙質を踏まえ、最適な条件を探っていきました。

結果として、質感を活かしながらも、ブランドイメージを損なわない仕上がりを実現。
素材が変わっても品質基準は変わらない。その姿勢が問われる工程でした。

印刷の肝は「圧」と「ムラ」をどう制御するか

今回の冊子で苦労した部分は、墨一色印刷のページ
写真も文字も背景も墨なので、ムラや濃淡の違いがそのまま品質に表れます。

特に意識したのが、印刷機の「圧」のかけ方。

「ポンと当てるだけでは、きれいに見えなかった。少しずつ圧をかけて、しっかり色を取るようにしました」

さらに、色調整のための試し刷り(ヤレ紙)を通常より多く使用。50冊という少部数であっても、「全冊同じ色味」であることが絶対条件でした。

インキ量も、数値を見ながら微調整を繰り返します。

「100枚通して薄くなったら、設定が違う。また数字を変えて、もう一度通す。均一になるまで、それを繰り返します」

こうした地道な調整の積み重ねが、墨一色でも深みのある表現を支えています。

後加工も“手作業”で仕上げる理由

この冊子の特徴は、印刷だけではありません。穴あけ、ビス止め、革表紙の取り付けなど、後加工工程の多くが手作業です。

「少しでもズレたら、全部が台無しになる」

特に、ビスの位置はミリ単位の精度が求められました。革素材は一冊分が高価で、予備はほぼなし。失敗は許されない状況の中、1冊1冊を慎重に仕上げていきました。

トラブルを防ぐのは、毎日の“打ち合わせ”

こうした難易度の高い仕事を支えているのが、毎朝9時半から行われる部門を超えたメンバーでの打ち合わせです。

「やったことのない仕様ほど、最初の打ち合わせが一番大事」

工程を共有し、リスクを洗い出し、「できない」ではなく「どうすればできるか」を考える。実際、ビスの本数を誤解していたというトラブルも、出荷前の確認で発覚し、未然に防ぐことができました。

「終わった…」という安堵と達成感

全50冊が完成したときの気持ちを聞くと、返ってきたのは率直な言葉でした。「正直、“終わったわ…”という安心感ですね」

高級ブランドを扱う緊張感、失敗できない素材、複雑な工程。それらをすべて乗り越え、無事に形になった瞬間でした。

吉岡印刷が、高付加価値案件に応えられる理由

「どこの印刷会社でもできる仕事ではないと思うが、なぜ吉岡印刷ではできたのか?」

その問いに対する答えは、シンプルでした。

  • 部署を超えて協力できる体制
  • 毎日の打ち合わせによる情報共有
  • 未経験の仕様でも「どうすればできるか」を考える姿勢

名刺や封筒といった日常的な印刷物から、高級ブランドの冊子制作まで。

“印刷だけ”にとどまらず、仕上がり全体を考える製造力それこそが、吉岡印刷の強みです。

高付加価値な印刷物を検討されている方へ。
「こんなこと、できるだろうか?」と思ったときこそ、ぜひ一度ご相談ください。
吉岡印刷は、“できない理由”ではなく、“できる方法”を考えます。

 

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